Category: Porsche 911・928

928GTS

By , 2011年5月13日 12:54 AM

 娘が成長するに連れ、911では家族3人乗るのに狭くなり、止むなく乗り替えることにしました。911Turboの後となると、どの車を選ぶかが問題になります。歳も歳ですし、国産の大人しいセダンにしようかとも考えたのですが、直ぐに飽きてしまうことは明らかでした。いろいろと考えた末に、FRポルシェに一度は乗ってみようかと思い、928を探すことにしました。928でしたら、あと数年は家族3人で乗れそうでしたし、928でも狭くなったら、その時はセダンに乗り替えれば良いと考えることにしました。

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 一般的に言って、928に対する評価は決して高くないように思います。それは多分、 911程のピュアさが無く、そして余り格好良いとは言えないからだと思います。しかし、写真などを見て、どのような形か理解しているつもりでも、実物に接すると 928の印象は大きく異なったものになります。911 の場合もそうですが、写真など、平面的な印象だけで判断してしまうとポルシェ各車の造形は、どれも不恰好に見えてしまいます。しかし、どの車種であれ実物に接した時の存在感と迫力は相当なもので、928 も写真から受ける印象とは逆に、かなりの好印象を持つことができました。
 

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 私が購入した928は、928GTSでした。この車は車体幅が1.9mあり、S4よりワイド化されています。これは、より太いタイヤを履くために前後のフェンダーがブリスター形状となったためです。ちなみに928GTSの日本仕様は、ブリスター形状の前フェンダーが更にオーバーフェンダーになっていますが、これは日本独自の仕様です。このオーバーフェンダーは、当時の輸入元であったミツワ自動車が付けていたようですが、今ではもう入手できないそうです。
 

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 エンジンは5.4LV8で、350馬力と言うスペックでした。ミッションは4速ATでメルセデス製のものですが、キックダウンが鈍く、またシフトアップも決してスムーズではありませんでした。ミッションをOHしても状況は変りませんでしたので、これが元々の特性なのだと思います。加えて、発進は常に2速からでしたので、全体的に何となくダルな印象が付きまとっていました。Dレンジから1速まで変速レバーを動かし、再びDレンジに戻すと、その時だけは1速発進となりますが、信号で止まる度にこの操作を行うわけにも行かないため、ATの問題はあきらめることにしていました。MT車であれば、印象はまた違ったものになっていたかもしれませんが、928のMT車に乗ったことがありませんので、何とも言えません。

 また、タイヤが太いせいか道路の轍にハンドルを取られ、狭い道では結構神経を使わされました。タイヤを代えアライメントを取り直してみましたが、状況はあまり改善されませんでした。太いタイヤを履いていても轍に鈍感な車もありますので、単にタイヤの太さだけではなく、サスペンションジオメトリ等が関係しているのではないかと思われます。日本の道路事情に余りマッチしないATと、轍に敏感な性質が改善されれば、毎日の足としても何不便なく利用することができます。車体幅の問題は、基本的に視界が良いこともあり、慣れれば全く気にならなくなります。
 

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 928はハッチバック形式のボディでしたので、天地には浅いものの、荷物もそこそこ積むことができました。また、狭いながらも快適な後席が備わっていましたので、子供専用と割り切ればファミリカーの代わりにもなります。内装は淡いグリーンで、最初は奇異に感じましたが、慣れると良い色に思えて来ます。この頃のポルシェは、ピンクや紫と言った純正色が用意されていて、またそれに呼応するような奇抜な室内色も選べましたが、これもやはり実物と写真とでは、かなり印象が異なります。

 928は、ポルシェが本気で豪華で高性能なGTカーを作ろうとした結果生まれたものだと思いますが、基本設計が1978年と古いままでATや補器類の選別も拙く、加えて超高価であったため、少なくとも日本ではその良さが理解されなかったように思います。勿論、操縦性や高速安定性、そして速さは、現在の路上でも充分通用します。

 5~6年前までは時々見掛けたのですが、ここ数年めっきり数が少なくなったように思います。あと10年もすればビンテージカーの仲間入りを果たし、珍重されるかもしれません。最後に928GTSのメンテナンスですが、911Turboよりもお金が掛かり、そしてちょくちょく壊れます。928特有のウィークポイントが幾つかありますので、まとめて手を入れてしまえば、暫くの間、大きな出費はしないで済むのではないかと思います。
メンテナンスに掛かる費用・労力を厭わなければ、総じて928は良い車だと思います。911ほどの特徴はありませんが、所有する喜びを感じさせてくれる1台です。

続911Turbo

By , 2011年5月9日 10:15 AM

19990627 911Turboを購入してから1年ほど経った時、いろいろな情報を得たくてインターネット上を探し回りました。その時、ポルシェのMLクラブがあることを知り、早速入会させていただきました。左側の写真は、そのクラブに入会して初めてミーティングに参加した時のものです。写真の女の子は、上の2人の子とはちょっと歳の離れた一番下の子で、当時5歳の可愛い盛りでした。その娘も、つい先日17歳の誕生日を迎えました。時の移ろいは、誠に早いものです。

 私が小学生の頃は、1日がものすごく長くて、小学校の6年間は永遠に続くのではないかと思ったほどでした。それが中学・高校・大学に進むにつれて徐々に短くなり出し、50歳を過ぎてからは、急坂をころげおちているのではないかと思うほど、1年が瞬く間に過ぎて行きます。だからこそ1日1日を大切に、意義ある生き方をしたいと思うのですが、楽な方へ楽な方へと流れて行くのは、人間の悲しい性なのでしょうか・・・。
 
19990911 964タイプまでの、フェンダーの峰が高い911を運転している時の景色は、大凡右の写真のようになります。フェンダーの峰が目印になり、車幅を読むための大きな助けになります。「白い911に乗っていると、フェンダーの峰が女性の太もものように見えて、ちょっと艶めかしい」と言う名文句が雑誌に載っていたことがありますが、不幸なことに、そう感じたことは一度もありませんでした。

 と言うのも、この頃の911は、街中において決して安楽に乗れる車ではなかったからです。ハンドルもクラッチも重く、道路の不整に影響され易く、そして常にピッチングと戦っているようで、ドライバーに掛かるストレスは大きなものがありました。964になってパワーアシストが装備され、リアサスペンションが改良されたことで、それらは徐々に解消されて行ったのですが、それまでは大きな緊張感を必要とする車でした。これは、オーバーステアが云々と言う話ではなく、街中をゆっくりと流している時でも同じで、緊張がほぐれるのはエンジンを停めた時です。

 高速道路やサーキットをそれなりの速度で走ると、これらの問題は一気に解消します。なるほど、911とはそう言う車なんだなと、妙に納得したことを憶えています。この感覚は、一度でも古い911に乗れば、お分かりいただけるだろうと思います。お陰で911に乗って以降、どんな安楽な車に乗っても眠くなることはなくなりました。車に乗ると緊張することが、癖になってしまったのでしょう。
 
19991106 左の写真は、クラブのミーティングで鈴鹿に出掛けた時のものです。この時は、20台以上のポルシェと40人近い参加者が居て、大変盛り上がりました。鈴鹿サーキットも東コースでしたが、2時間程度借り切ってファミリー走行、スポーツ走行と楽しみました。これだけの車が集まると、紳士然としたメンバーも、体の良い暴走族に変身します。本物の暴走族との違いは、赤信号では止まること位で、スピードに於いては本物を遥かに凌駕するほどでした。恐ろしや・・・。 
 
 
 
19991107 右の写真は、鈴鹿を走った翌日に、宿泊したホテルの駐車場で撮ったものです。この時は、911を買ってから1年半余り経過していましたが、メンテナンスに掛かった費用は約150万円ほどになっていました。高性能は、ロハでは手に入らないことの良い証明です。タイヤも2セット目でしたし、オイルも高価な指定銘柄を3000km程度で交換していました。空冷の911には化学合成オイルのようにサラサラしたものはダメで、比較的硬めのオイルが適していたようです。フィルターも交換するとオイルは10リッター近く入りましたので、それだけで数万円の出費となります。随分お金が掛かるなと思うこともありましたが、その度、911Turboのあの後姿がちらつき、結局はうやむやの内に時が過ぎるのでした。
 
20010519 左の写真もクラブのミーティングの時のものです。この時も荒天で、鈴鹿行きの時を除いて、いつも雨にたたられていたように思います。911で雨中を走る時、一番気をつけなければいけないのは深い水溜りです。タイヤの銘柄によって状況は多少変わるのですが、フロントが軽いと言うことを常に意識している必要があります。

 雨の高速道路をいい気になって飛ばしていて、深い水溜りに遭遇すると、必ずと言って良いほど滑ります。それも、カウンターが必要なくらいに。水溜りに突っ込んでも、常識的な速度で走っている分には問題は起きませんので、例え道路が空いていても雨の日はゆっくりと走るに限ります。そんなこんなで6年近く乗った911Turboも、娘の成長に合わせてお役御免になる日が近づいて来ました。次に所有した車が、911Turboに輪を掛けて面倒な車であったことを、この時私は知る由もありませんでした。

911Turbo

By , 2011年5月7日 11:00 PM

19980720_5 何かの気の迷いからGTRを手放し、それ以降国産の危なげない車を乗り継いで来ました。どの車も1度として故障したことは無く、オイル交換と定期点検だけしておけば、乗りっぱなしにできました。そんなある日、何の脈略もなく、マセラティ ビトルボSiと言う超弩級の車を買うことになりました。何が超弩級なのかは敢えて書きませんが、良い意味で驚いたのは、高速道路での安定性でした。速度を上げれば上げるほど、路面にへばり付くように感じるのです。このような感じを受けた車は、少なくとも私が乗った限りでは、後にも先にもこの車だけです。

 しかし、その超弩級性が災いして、1年足らずで手放すことになりました。それから暫くの間、自分の車は所有しなかったのですが、知人が911に乗っていて、911もなかなか良いなと思うようになりました。それまでは、お椀をかぶせたような形がどうも好きになれなかったのですが、実物に触れて、実際に運転してみると、その良さが実感できました。
 
19980720_6 911と言えば、私の気持ちの中では、それは911ターボのことでした。それも、フェンダーの峰が高い930、964までのモデルです。私が911を探し始めたのは、水冷911が発表される直前でしたので、930、964モデルは、既にかなり低年式のモデルとなっていました。それでも、ターボとなると中古車の数は極端に少なく高価で、探し始めてから半年後に、ようやく購入することができました。

 911ターボを購入してからは、毎度おなじみの、車と格闘する日々が続きました。先ずは、気になる箇所の改善が先決でした。大きな問題は、とにかく真直ぐ走らないことでした。速度に関係なく道路の轍に敏感に反応し、チョロチョロと落ち着かないのです。タイヤを交換しアライメントを取り直し、やっと何とか市街地でも高速でも満足できる形になりました。前の所有者はどうしていたんだろうと、思わず首を傾げたものです。
 
19980720_11 その後、気になっていたブレーキ回りのオーバーホールや、オイル漏れの修理、エンジン調整、補機類の交換、ダンパーやアブソーバー、ブッシュなど足回りのオーバーホールを行いました。手を入れなくても暫くは乗っていられたのですが、気になり出すと落ち着きませんので、一気にメンテナンスすることにしました。しかし、そのような苦労も、この後姿を見るだけで癒されたものです。私がターボに拘った訳は、正にこの後姿にあります。

 911は、「きちんとした整備をすれば、新車に近い状態に戻せる」と言われています。新車はオーバーとしても、このメンテナンスを実施したことで、その言葉を実感することができました。ボディ剛性の高さは巷でささやかれていたとおりで、それがあるからこそ、消耗品を交換するだけで、いつまでも高性能を維持できるのだろうと感じました。ある時、車を良く知らない方を乗せたことがあるのですが、他の車と違う囲まれ感と安心感があると言われました。私自身、運転していて、いつもそう感じていましたので、やはり911は並大抵の車ではないのだと思った次第です。

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